及川徹と岩泉一の公式関係|幼馴染のまま主将と副主将になった
及川は3年6組のセッターで主将。岩泉は3年5組のウイングスパイカーで副主将、そして青葉城西のエースです。同学年ですが教室は別。それでも二人は、小学校のクラブチーム時代からの幼馴染とされています。原作第67話では、バレーを始める前から一緒に遊んでいたことが描かれました。
肩書きが増えても、呼び方は変わりません。及川は岩泉を「岩ちゃん」と呼びます。チームメイトを「まっつん」「マッキー」と呼ぶ人が、副主将にだけ子どもの頃の音を残している。
コート上の関係も見ておきます。及川は影山以上の威力を持つジャンプサーブを打つ超攻撃型セッターで、最大の武器は仲間の能力を100%引き出すこと。岩泉は179.3cmでパワー系のスパイクを打ち込み、ブロックの指先を弾くテクニックまで持つエース。及川がセッターとしてトスを上げた日本人のエースは、岩泉ただひとりです。
「クソ及川」と呼ぶ副主将|岩泉一のツッコミには制裁がつく
幼馴染だから仲が良い。そう書きたくなりますが、実際の岩泉は主将へのツッコミ役です。しかも口だけでは終わりません。
「トスも負けてないって言えよクソ及川!」
原作『ハイキュー!!』中学時代の回想
影山飛雄に対して「トス以外なら負けてない」と言った及川へ、岩泉が返した言葉です。慰めではありません。及川が自分で下げた部分を、岩泉が上から引き上げ直している。ちなみにこのときも、ボールが飛んでいます。
他校の女子に捕まった及川の後頭部へボールを投げつけ、顎クイで回収した場面もあります。「ハンガー野郎!」と怒鳴られたことから「ハンガー徹」という呼び名が広まったのも岩泉きっかけ。監督が及川を練習から連れ戻したいときに呼びつけるのも、やはり岩泉です。
セッター及川徹を形づくった岩泉一の言葉
及川には勝てない相手がいました。同期の牛島若利です。中学時代を通じて前に立ちふさがられ、及川は一時期荒みます。「天才ってムカつく」と繰り返す人が、センスと身体能力を土台に努力で天才級まで積み上げた選手だという事実も、ここに重なります。
その及川を吹っ切れさせたのが岩泉の言葉でした。中学最後の大会で及川は「ベストセッター賞」を獲得します。この一言がセッターとしての及川を形づくったとされるほど、効き方が大きい。賞を獲ったのは及川ですが、そこへ戻したのは岩泉です。
以後も岩泉は、及川の不調やオーバーワークを誰より早く見抜く側に回り続けます。褒めるでも励ますでもなく、状態を見る。ここがこの人の関わり方です。

見抜く目は、そのまま職業になった
岩泉は大学進学後にアスレティックトレーナーを目指し、アメリカへ修行に出ます。最終話では日本代表のATに任命されたことが判明。修行中に再会した牛島には、参考にしていた動画を見せることで強化を間接的に支えました。選手の状態を見抜いて手を入れる役割が、そのまま仕事になっています。
「大人だもんなぁ?」
『ハイキュー!!』Vリーグコラボ
AT職の岩泉が、喧嘩を始めた及川と宮侑の肩を掴んで静めた場面です。怒鳴ってもいないし、ボールも投げていない。手段だけが大人になって、止めに入る立ち位置は中学時代から一歩も動いていません。
及岩と岩及|及川徹×岩泉一の左右が二通りある理由
ファンの間では、及川を先に置く「及岩」と、岩泉を先に置く「岩及」が併存しています。どちらかが少数派というわけでもなく、2026年8月1日時点の投稿タグ件数ではほぼ拮抗。コンビとしては「阿吽コンビ」の名でも呼ばれます。
及岩として読むなら、引っ張るのは及川です。主将であり司令塔。相手の能力を100%引き出すのが最大の武器で、岩泉のスパイクも及川のトスから始まります。差し出す側が先、という並び。
岩及として読む材料も同じくらいあります。荒れた及川を戻したのは岩泉の言葉。練習から引き剥がすのも、女子から回収するのも岩泉。手を伸ばして掴む側が先、という並びです。
ここからはPUTONの読みです。左右が割れるのは、二人の役割がずっと交換され続けているからだと考えています。コートの中では及川が上げて岩泉が打つ。コートの外では岩泉が及川の状態を見る。上下ではなく、担当が入れ替わる。
高校時代の及川は全国大会へ届かず、卒業後はアルゼンチンへ渡ってプレーしました。岩泉は日本代表のアスレティックトレーナーへ。進む先も国も分かれています。それでも、上げる役と見る役を交換し続ける関係だけが残った。及川徹×岩泉一という組み合わせが、順番を決めきらないまま長く支持されている理由はここにあります。